オタクの中にいるかもしれない純正二次元原理主義の人の性欲について

雑事 OTAKU

まあ、僕自身がそうではないのと、どこまで真剣にとらえていいのもか分からないので、飽くまで思考実験的に。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/hituzinosanpo/20080722/1216733753*1

いろんな人に怒られそうなんだけど、「二次元」を排他的に選択したオタクの人のセクシャリティーってどう表現されるのかしら。だって、三次元のホモサピエンスは性欲の対象にならないのでしょう？

と、いうブクマをして、これだけだとあんまりにもアレなので補足。描かれたものってのが「模倣」であるということは認識されるとして、じゃあ、（「模倣」に対する）某かの「真実」（あるいは真の対象）の代替物として受け止めているかといえば、割にそうでもないようにも見えるし、嘘か本当か全く三次元などには興味を覚えないと主張する人たちもいる。皆が皆、性的欲求の対象となる実在物へのルサンチマンを生きているわけではないだろうし、そもそも実際の人間の相手をしたり、話をしたり、何事かを欲望したりすることと、二次元の図像に萌え転げるのは随分と違う経験だろうし、さしあたってその価値なんてものは知らないし、それだけで深刻な問題や障害を派生させるとはまるで思わないけれども、連続しているようで断絶があるし、断絶は、しかしながら、合理的説明を与えようとすればするほどに連続したものになってしまう感触を起点として、一体にあれらの単なる図像に「愛」を語ってしまうような主観とはどんなもので、その欲望はどう表現されるのだろうと思いましたことですよ。


代替物ってことなら話は早くて、大半のオタク的諸作品において異性愛の図式――見かけ上の逸脱とは真逆の極めて保守的な――があれだけ露骨に謳われているわけだから、それを鑑みるなら、何てことはないマジョリティ―の中の周縁的存在として理解可能なわけですが、そうはいっても、真剣に代替物として認識し、そのように（意識の中においてさえ）扱っているように見える人ってのはあまりいなくて、それは逆説的にも恋人を持っているオタクさんの一つの定式「二次元と三次元彼氏／彼女は違う」という言説から類推できる。てか、そんなことあんまり意識しているようには見えない。でも、代替ではなくてそれ自体が目的であるとするなら、つまりそれ自体を対象とした欲望であるなら、どういう風に独立したものとして表象できるのかはさっぱりわからない。


自律的であることを一定度認められるからと言って、別に描かれたキャラクターの肉体的特徴や仕草、何より描かれた絵それ自体には性的視線が介在するわけだし、そうかといって、「現実」のホモサピエンスに対する欲望がそのままイコールであるわけでもないだろうことは日常生活からそれとなく把握できる――という辺りで、抽象的な思考がよく分からないワタクシ様のオツムではこんがらがってきちゃうわけですが、漠然とした性的嗜好ないし欲望と具体的な対象を伴った実際上の欲望は異なるわけだから、そう考えると漠然とした一般的な定式として与えられるところの欲望としては、三次元オンリーの人とそう大差ないのかな？「愛」の対象が具体的な単一の何かに収斂されると考えるのなら、性欲はそれと無関係ではありえないにせよ別のカテゴリーとして捉えた方が良いのだろうし、どれほど技術的な革新があっても物は物でしかないわけだから、やっぱり単なる自己の投影でしかないのかしら。


うーん？あー…要するにオナニーに必要な欲望の対象は肉体の諸表象であったり、性的表現のあれこれであって、実質な存在者は不必要ってことですか。昔、ビックリボウスキって映画でポルノの王様みたいのが「エロイのは肉体じゃない、頭の中だ。想像力だ」とか言ってたように思いますが、欲望は観念の連鎖であって実体は要りませんか。それは辛い話だなあ。


でも、色んな人のオタクセクシャリティーを巡る言説を見聞きしてると、二次元と三次元を分断した上で、その両方の位相を同一に扱う平面から欲望（やその対象）を語っているようにも見えて、そうすると（少なくとも主観的には）その欲望は自律的なものにも思えるし、例え事実においては単なる訓練された身体の諸反応に過ぎないとしても、欲望ってのはある意味、徹頭徹尾主観的なものだろうし、独立した意味内容を持ち得る条件を整理した上で、その具体的な内実について語られるなら、真実でないとは言えないわけでしょう。


あー、よく分からなくなってきたよ。いや、あのね、例えばショタもののエロ漫画を想定したとして、オタクさんは別に同性愛的嗜好を自認してなくても、平然とショタ漫画読んで色々と欲望なさるわけでしょう。でも、非オタクの「異性愛」の人はAV見て自慰することがあったとしても、少年を（想像の中であっても）欲望の対象にしない（と想定されている）わけでしょう。少年愛――その道義的評価は取りあえず脇に置いたとして――って、でも、オタク向きエロ漫画だとオルタナティブの一つとしてあるわけで、そういうの読んで欲望を刺激される人は同性愛者ないし同性愛的嗜好のある人なの？てか、（規範意識としてであれ）現実における欲望の充足を断念した人の純粋に想像の圏内に留まる性的欲望ってどう表現されるの？

*1:大元のエントリとはあまり関係ないので、こういう場合はトラバしなくてよいのかしら。