ヤポネシア人民革命党軍政評議会第440号決議


賢明なる同志そして市民諸兄に対して深い友愛と変わらぬ連帯を以て、我々ヤポネシア人民革命党軍政評議会は以下の決定を通達する。我々は先の革命闘争において、急進的批判カテゴリーである[同志書記長閣下]を有効な戦術手段として規定し、プロレタリア人民によるその使用に一程度の同意を示してきた。しかしながら、現下の反動的情勢においては、当該カテゴリーの便宜的利用によっては彼我の軍事力の圧倒的非対称性は覆しえないことが、明らかになった。従って、我々は軍事決議第271号に基づき党中央委員会に対し、当該カテゴリーに続く新たなる珍カテゴリー[からなべ]の即自的使用を勧告するものである



分類名:からなべ
使用方法:素敵な女性に出会えた時に使ってください。


ワタクシ様のまわりには空鍋ならぬ底の抜けた柄杓といった女なら幾らか存在しますが、真正[からなべ]には出会ったことはありません。空鍋がどのようなものかは知りませんが、恐らく人知を超えた、形容しがたい偉大さと畏敬の念を引き起こさせるような存在であるに相違ありません。つまり、そこには崇高の観念があるのです。

崇高の観念を特徴づけるのはその不可能性とそれに由来する苦痛にあります。つまるところ、永遠の断絶です。すなわち、我々は遠く無限に離れた存在としてなら空鍋を許容できますが、空鍋が現実であることには耐えられないのです。何故なら空鍋ではご飯を食べられないからであります。

ワタクシ様は貧乏人の鏡として鍋を多用しておりますが空鍋は役に立ちません。それだけのことです。偉大な革命家諸氏にあられては空鍋階級闘争における急進的批判性を云々するがよろしいかと思われますが、ワタクシ様としては本日のお食事であるところのカレーにしか興味はないと申し上げておきます。


ところで、ヤポネシア民共和国地方行政官僚の皆様方は税金未納に対する差し押さえ権限を持っていることで有名ですが(主にワタクシ様の中学時代に)、[からなべ]は差し押さえ対象なのでしょうか。むしろ、積極的に持っていっていただきたいと考える人は多そうですけれども。