最近のキーワードは「単に〜なだけ」


真面目な記事など断固断る。尤も、その真意は適当さにあるので上の言辞すら守る気はありません。めんどくさーい。

それはそうと、近頃やたらと耳にする「ライフハック」ですが、あれって要は生産性の効率化を図る技術なわけで、その部分だけ見ればかつて労働者(の生産性)を管理・維持・向上していく方法として開発された、いわゆるフォーディズムだのトヨティズムだのとそこまで変わりません。というよりは、生産性の基礎を工場においていた思考が、ホワイトカラー労働あるいは知的労働とか言われるような領域に移って、個人ベースになったってだけのような気もします。そんなわけで、断固反対します。他人(企業)のためなんかに、自分ルールとか課したくありません。キモイ。

とはいえ、こうした技術に一定以上の注目があつまるのは、結局、労働という限定された枠組みよりも幅広い生の領域において、自分自身を把握して、整えて、管理していくということへの欲望があるのかもしれません。自律つーとカッコイイですが、まあ、自分の生活や行動を自分自身のものにしたいという欲望のことです。多分、そうしたものが必然的に現れざるを得ないようなインフラがあるんでしょう。そういや、ちょっと関係ないけど中高年の女性に「ガーデニング」とかが受けてるのも、そういうことだという話を聞いたことがあります。「ガーデニング」はひとつの趣味であったり、人生の楽しみであったりするわけですが、それを通して人生や生活を自分のものにしたいという欲求があるんだとか。ほんとかどうかは知りませんけど。

でも、俺は全力で断る。むしろ、仕事をサボるためのライフハック術が学びたい。todoやスケジュール管理による効率化や自己規律としてのルール作成といったことは本来、自分の人生や生活や「仕事」(近代以前と共通であるような)のためにあるのであって、労働とかいう割合個人にとってどうでもいい代物のためにあるわけではありません。つまり、外部から与えられた規範とか義務とか命令とか脅迫とか搾取とかのためにあるわけではないはずです。自律性は剥奪されているなら、必ず奪い返す必要があります。

とりあえず、企業の業務を遅滞させることが正しい労働者のあり方だと思います。というか、それが「仕事」です。